第三舞台 封印解除&解散大千秋楽



第三舞台については思うところがありすぎるのです


最初に知ったのは鴻上尚史さんのオールナイトニッポンでした。単純にしゃべりの面白い鴻上さんのファンで、この人のことを知りたいというミーハー心だけで調べ始めました。そしてこの人は演劇をやっていてしかも自分はその芝居には出ていないで作と演出をしているという、当時小学生の私にとってはさっぱり何をやってる人か皆目検討もつかないことをやっている人なんだという印象でした。ただ見たことはないけどものすごく人気があるということと、面白いってことだけは理解していて(って鴻上さんが自分でラジオで言ってたんですけどね)小学生で当時ネットもお金もない情報も本当に鴻上さんのオールナイトニッポンだけという少なすぎる知識の内ではあったものの情熱というか思いだけはその時から始まったわけです。
 
 そしてオールナイトニッポンも終わり完全に鴻上さんや第三舞台を知る手立てはなくなってもずっと「観たい知りたい」と思いだけはあり、近くの図書館にあった戯曲や第三舞台年表を何度も読み、観た事のない劇団に思いを募らせることになっていったのです。そして高校生ぐらいのとき初めて公演観たのはビデオで、今完全に記憶が思い出せないのですが「天使は瞳をとじて」のビデオだったはずなのですが、実家にないのでおそらくどこか図書館から借りたか録画したものを観たと思われます。観た感想は正直これは何なんだ?!っていう衝撃しかないです。面白かったことは面白かったのですが、どう解釈していいのか難しいけど好きだなぁこれ生で観てみたいなぁとか、歌うんだ踊るんだとか、熱狂的なファンはいるのはなぜなのかとか、いろいろな疑問と謎を当時のブームと人気を知らないで観る当惑感いっぱいだったですね、思いと幻想と想像だけが先行していたのもあるんでしょうけど。

そして実際に公演を観るのは97年の「朝日のような夕日をつれて」になるわけですが、これがねメチャメチャ面白かったんですよ、笑ったし考えさせられたしこれが最大にのめりこむ原因になったわけですけど、ずっと鴻上さんが「実際に観に来て、チケット大変だろうけど損はさせないから、面白くなくても実際に観にくるとわかるから、そして面白いから」みたいなことを散々言ってて、実際自分で体感してようやく分かったわけなんですけど、演劇ってやっぱ実際に観にいかないとダメなんだなと。私の観劇人生ここから始まったわけですよ、すべての始まりの劇団なんですよー。ざっと今につなげるきっかけだけ並べましたが、語りたいことは沢山まだまだ在りまして、ワークショップに参加して演技指導受けたり観劇してるすぐ後ろに鴻上さんが座って居たりしたころなんか書いてたら途方もなくなりますが、今日の大千秋楽を観るいきさつは全て過去から今日につながっているんだと噛み締めながら今日に至ったわけです。

今回の公演、内容が好き過ぎるものばかりでどこをどうとっていいのやら・・話も難解ではなくダンスも笑いも着ぐるみも演じている役者も全てがカッコよくてキラキラしていて、何より最後のあの優しい終わり方・・最高すぎて終わるのに解散するのに次を観たいと思ってしまう、決して幸せなことばかりでなく厳しい現実と死んでいった人もいるということ、未来って希望だけど先が見えないことがワクワクできることでありたいね、っていう願い。公演を次観ることはもうないのに・・。

最後カーテンコール、出演していた全役者さんを鴻上さんが紹介していってみんな挨拶して、今までの第三舞台の全公演の歴史と出演者のエンドロールが流れてもずっと鳴り止まない拍手、あの一体感は忘れることはないと思います。どうやられたって終わること席を立つことができない観客に最後しぶしぶ鴻上さんが出てきて「みんな観たでしょうあのエンドロール、今日の為にカッコ良く終わるために作ったんだから!ね、もうちゃんと終わらないと、ちゃんと始められないんだからね、おしまい!」ってドッと歓声と笑いが起きて、私も泣きながら笑って席を立つことが出来ました。

最後まで第三舞台第三舞台で終わってくれたことに感服と感謝の思いです。本当に本当にありがとうございました。