LIVE POTSUNEN2010『SPOT』

がっつりネタバレしてるんで閉じます





2ヶ月前に横浜で観たときと今回の名古屋の公演とでは明らかに印象が違うのにかなりビックリした。小林さんはそれを成長と言ってましたがそれにしてもこうも変わるものかと。まず会場からして前の横浜BLITZが箱としてかなり観ずらいところだったからだというのもあったと思う、BLITZは1階席の中盤で席だったので席として決して観ずらいところではないはずなのに前の人の席とちょっとずらして配置してあったけど完全に平坦な席だったから、ところどころ演目によってはガッツリ小林さんは見えない状態というのがあってかなりストレスを感じたなぁと思い出しまして、今回の名古屋は2階席だったっていうのもあるが全体も見渡せてでも遠いって感じもなく逆に「ハンドマイム」では画面と小林さんが一緒の視界で見れたりして快適に観覧できた。やっぱり演劇向けの会場って大事だよなーと思い知らされたよ。それと今回ビックリさせられたのが舞台上の小林さんがところどころで客席に向かって話しかけてまして、オープニングの後の幕間で「拍手するタイミング難しいですよね?それならいっそ合図決めましょうか?たとえばこういうポーズ(サタデーナイトフィーバーのジョントラボルタの人差し指突き上げたやつ)したらとか」って言い出したり(でもこれがのちのちのアクシデントの良い伏線なんだよね)遅れて来たお客様に「待ちますよ座ってください。さっきけん玉を使った面白いコントやったんですよ、えーとこういうふうになってて・・と、さっきやったコントをもう一度やろうとしたりして、かなり何度も本編から脱線したんですよねー「かいじゅうのお医者さん」のときも大きな怪獣が部屋から出て行くとき小林さんが足音で大きく揺れながら「やりたい方はご一緒に」なんて言ってしばらく揺れるのを続けて笑いながら「あ、ホントにやってくれてるんだ」って言ってたりして、なんだろう?機嫌が良かったからなのかサービスなのかやっぱり回数こなしてきたからこそできる余裕なんだろうなぁ、それに一人で何役もこなしてるのに一人一人のキャラの個性が立ってて観てて本当に気持ちよかったもんなぁ、実は横浜ではあんまり自分的に響いてこなくて話の内容も入ってこなくていまいち消化不良感がぬぐえなかったんだよね、でも今回は自分も一回観てるっていうのが大きかったと思うけどそれにしてもバシバシ入ってきてやっぱり良い公演だったんだなぁと思えた。
 前と変わったところといえば、恒例のアナグラムではもうお馴染みで新鮮みにかけるけど、今回はとも子のいろんな彼氏連れてくるくだりのミニコントが細かくて最後の家族写真のくだりは会場から笑いと悲鳴が(笑)最後は小林さんの指も枝化してて、なるほどそういう流れで父も木になった訳かと納得できるオチに変わってたりしてたり、「ない」では国の名前がたぶん横浜で見たときと変わってると思うんだよね、何となく聞いたことある国が増えてる気がしたもんな、横浜で見たときは、これ国名に詳しい人しか笑えないと思うわと地理が大苦手な私は一番に思ったから確かだと思うし、一坪の王様では王様ノートが出てきて国鳥やら国獣やらの情報が増えてどこぞの国獣は本当にユニコーンやらマーライオンらしいので、日本はドラえもんにすればいいじゃんこんなの言ったもん勝ちだよなんていうのも増えてて笑ったし、「うるう人」は滑稽なのになんか悲しくて最後の50音のくだりは切なかったなぁ。
 あとは何より会場とのライブ感が心地よかった。来てるお客様が平日の昼だし学生は少ないから大人の方が多くて女性だけじゃなく男性も年も上な方も結構いらしててとにかく大人な落ち着いた感があったな。

 そうだ上演中にハプニングがありまして、それは「たこ壺」の壺を買った客と骨董屋店主の電話でのやりとりをやってる時に会場から携帯の着信音が鳴り響きましてこれが結構な音量だったから、はて?演出でこういう場面あったけか?と思うほどだったのですが、ちょっとスルーできない感じだったので小林さんから「大事なところなのでいったん止めますね」と。それで「(電話に)出なくても大丈夫ですか?待ちますよ」とお客様に話しかけて「妻の携帯電話なんですよ」と骨董屋店主になって釈明「私はそんなもん必要ないって言ったんですけどね。私はこういう(コントでやった昔の電話の真似しながら)電話ですからね」とナイスなリカバリー、その後コントに戻って「えーとどこまでいったっけ」と記憶を辿りながら本線のコントを思い出していく小林さんがなんか可愛かったなぁ。で、見事にやり終えて暗転したときにあの合図のポーズをしたんですよトラボルタを。いやー拍手喝采になったのは言うまでもありませんな。でもかなり焦ったんでしような、汗だくになったようでしばらく扇子出して仰いで水をがぶ飲みして落ち着けて次のコントの準備をしてましたから。それにしてもホント見事な対応でしたよ、盛り上がったけど携帯鳴るのはやっぱりいただけないですな。
 カーテンコールも4回くらいあったんじゃないかな?最後はスタンディングオベーションで盛り上がり、小林さんからも過去のアンケートのこぼれ話を披露してくれまして「アナグラムで因縁の牛にもエサってあるじゃないですか、あれ自分は不条理で作ったつもりだったですが札幌では『あるあるネタ』のようで、アンケートの中であのネタ気持ち分かります28歳、職業、酪農。っていうのがあって(会場爆笑)」とか、あと意味ない慣用句を書いてくれる人がいて「会場の平和は俺が守る。31歳、職業、警察官(会場再び大喜び)」とか。最後までサービス満点でした。

 最後に小林さんのmessageにもありましたが、最初のころとだいぶ変わってしまってましたが緊張感みなぎる横浜の公演が決して悪かったわけではないと思ってます。ホントにライブはその日限りでその日観たものと同じものは二度と観ることはできないものだから、その日感じることができたものが自分にとって一番良いものですよ。それを疑いだしたら何も観れなくなる、後のほうが良かったとかを言い出したらホントキリがない。でも何回も同じ公演観に行ったりしてる私が言える立場じゃないですがね。